英ポンド/円相場は、150円の節目水準でやや底固い展開になっている。イングランド銀行(英中央銀行)が3~4日に開催した金融政策委員会(MPC)議事録を受けて、英追加緩和に対する警戒感が後退していることがポンド相場を強力にサポートしている。
MPC議事録であるが、資産購入枠を3,750億ポンドで据え置くとの決定が、9対0の全会一致で決定されたことが確認されている。従来はマイルズ、フィッシャー両委員が購入枠拡大を主張していたが、カーニー新総裁の下での初会合では資産購入の拡大を主張した委員は存在しなかった。議事録では、「資産購入プログラムの規模が既に大きいことから、別の政策措置について様々な戦略を追求することには利点がある」として、MPC声明で示されていたフォワードガイダンス(時間軸政策)への傾斜スタンスを鮮明にしている。引き続き英経済の先行き不透明感は根強く、8月の会合では失業率と低金利政策のリンクなど、緩和政策の強化が打ち出される可能性は十分にある。ただ、量的緩和政策については一応の終着点を見た可能性が高まっていることが、大規模な量的緩和政策を展開し続ける対円市場では、ポンド相場の下値不安を後退させている。
一方、円サイドでは特に目立った材料は見当たらない。今週末の参院選挙で衆参両院のねじれ状態が解消されれば一定の日経平均株高・円安要因になる可能性はある。ただ、既に各種世論調査などからこうした流れは織り込み済み担っており、改めて円急落を促す材料としては弱いだろう。ドル/円相場の緩やかな上昇傾向がポンド/円相場もサポートするとみているが、引き続き大きな値動きは想定しづらい環境になっている。
今後1週間の予想レンジは、149.50~153.00円。